学校運営評価
令和6年度 学校運営評価
自己評価並びに関係者による学校運営評価を公表し教育の質の向上に取り組んでまいります。
- 「教育理念・目的・育成人材像」
建学の精神「和顔愛語・知目行足」を礎に、教職員一丸となり豊かな人間性をそなえ社会に貢献できる看護師の養成に取り組みました。新カリキュラムの移行に合わせ、本校の教育理念、教育目的、教育目標の実現のために策定された3つのポリシーは、本校の教育を理解し看護師を志す学生像を明確にしています。また、社会のニーズを踏まえ、「地域・在宅看護論」の学びに本校独自の工夫を取り入れるなど、教育内容の充実を図っています。 - 「学校運営」
各種規程や財務など重要事項を検討する運営会議のほか、日常の運営事項は管理会議で毎週協議し、教務事項については教務会議を毎月開催しております。この他、教員会議、各種委員会なども定期的に開催し、きめ細かな組織運営と意思決定を行っています。今後は、更なる職場環境の改善に向け、意思決定に至るまでの手順を明確にして、教職員間で自由に意見交換ができる風土作りに努めてまいります。また、電子教科書の導入により、タブレット等ICTを活用した指導・学生との情報共有などは徐々に浸透してきています。 - 「教育活動」
教育方法については、演習やグループワークによるアクティブラーニングにより「気づき」や「思考力」を伸ばしていくとともに、ICTの更なる活用についても継続的に検討していく必要があります。
また、実習についてはルーブリック評価を用い、思考・判断・態度を複合的に評価しました。
資格試験対策では、国家試験対策委員を中心に計画的に進め、学習支援アプリの活用のほか要支援学生には予備校講師による「寺子屋聖灯塾」を土曜日に開催して対策を強化しました。
看護師国家試験合格率は、第一看護学科は95.5%、第二看護学科は92.6%と全国平均(90.1%)を上回りましたが、新卒者の割合では全国(95.9%)を下回る結果となりました。
次年度は更なる対策として第一看護学科の各学年に「学習支援担当教員」を配置し、1年生から継続して個別指導を実施し合格率の向上を図ります。 - 「学修成果」
本校の目的である卒業生の横浜市内の医療機関への就職については、就職者の90.8%が横浜市内の医療機関に就職しており、高い就職率を達成することができました。また、就職後の状況も注視し、引き続き一年以内の就業状況を把握したいと考えています。
一方、ここ数年の卒業率の低下対策として、入学前教育、学力向上プロジェクトなどを実施していますが、普段の生活態度や学習に取り組む基本姿勢を身に着けることに多くの時間を取られてしまい、学力向上になかなか繋がらない状況にあります。入学してくる学生の特性に応じ、教育方法も柔軟に変えていく必要があると考えています。
このほか、高等学校教諭向けの学校説明会の場を活用し、看護教育や看護学生に必要な資質について理解を求めるとともに、高等学校における学習状況について共有するなど、相互の理解・連携を更に深めていく必要があります。 - 「学生支援」
各クラス複数担任制により学習・生活・就職などきめ細やかに対応しています。また、就職支援として、学校主催の就職説明会や就職ガイダンスにも力を入れており、学生個々の自己分析を踏まえアドバイスをおこない就職先とのミスマッチを防いでいます。一方、ここ数年は、入学時から精神面や家庭環境などに不安をかかえている学生が見受けられます。そこで、専門カウンセラーによるカウンセリングの予約申込を改め、web申込を導入するとともに、ニックネームや複数人での同時カウンセリングを可とするなど、より相談しやすい環境の整備を進めました。また、各種修学支援制度の認可に加え、本校独自の修学支援制度を設けるなど、経済的な面でも学生を支援しています。 - 「教育環境」
Wi-Fi環境や教員用タブレット端末の整備を行い、令和6年度より学生向け電子教科書を導入しました。電子教科書については初めての運用となるため、改善すべき点等に対応しながら、
より良い学修環境を整えていく必要があると考えております。また、本校には十分な教材教具が備わっており、教材委員会を設置して教材・教具の点検並びに充実に努めています。
図書室では司書が常駐しており、書架には看護教育に必要な書物が取り揃えられています。
災害対策については、消防署や鶴見区役所の防災担当者立ち合いのもと防災訓練を年2回実施し、指導・助言をいただいております。併せて、防災訓練が終わった後に振り返りを行い、発災時の対応力強化に向け、より実践的な防災訓練になるよう努めています。 - 「学生の受け入れ募集」
看護師を目指す強い意志や本校入学への固い決意を持ち、自身の目標に向けた準備が整っている高校生を対象として、初めて総合型選抜入試を実施し、令和6年度において最も多くの合格者を出すことができました。また、広報活動にも力を入れて、魅力ある学校案内冊子(school guide)を作成し入学試験募集要項とあわせて配布するとともに、ホームページに掲載しています。また、本校の学生生活を知っていただけるようSNSを活用し、学校行事の写真や動画をタイムリーに掲載しました。併せて、学校説明会を頻繁に開催することで、教育理念、看護師国家試験合格率、就職状況、奨学金、入学試験等について詳細に説明し、より明確な目標・意欲を持つ学生の確保・育成を目指しています。
また、第二看護学科について、社会人学生の減少や受験者ニーズの変化などから学生数が減少しているため、今後のあり方について関係機関と協議を行いました。 - 「財務」
将来の経費負担に備え事業運営や営繕のための資金を積み立てており、現状では学校の財務基盤は安定していますが、18歳人口の減少などから年々入学者数が減少する傾向にあります。将来に向かって持続可能な学校運営をしていくため、中長期的な視点で予算・収支計画を策定し、より厳格な執行管理に努めていかなければならないと考えております。また、本校の運営母体である横浜市医師会の財務状況について、医師会ホームページに公開しているほか、本校の財務状況については、事務部窓口において公開できる体制を整えています。 - 「法令等の遵守」
学則を始め各種規程、要項を設けコンプライアンス体制を整えており、常に学校を取り巻く環境・状況の変化をとらえ、内容の見直しや新たな規程の制定などコンプライアンス体制を整備しています。また、ハラスメント防止と対策に関するガイドラインについては、ルールを定めるだけではなく、適切に運用されるよう啓発しています。
学校評価実施規程に則り、ホームページに学校運営評価を公開しています。 - 「社会貢献・地域貢献等」
行政とも連携し地元町内会と災害時の施設使用の協定を締結しています。また、近隣病院の卒後教育に、教材と施設を提供しました。日常的な活動として、学生・教職員がエコキャップを回収し、世界のこどもたちにポリオワクチンを贈る活動に協力しています。このほか、就労支援事業所が運営するパン・お弁当の製造販売事業に対し校内ラウンジにて販売の場を提供しています。
聖灯祭では、学生によるユニセフ支援の募金活動を行うと共に、神奈川県赤十字血液センターの献血に多くの学生が協力しています。更に、定期的に行う本校学生自治会による学校周辺の清掃活動(クリーンアップ大作戦)や地域イベントへの参加など、地域に根差した社会貢献を心掛けています。
また、本校の特色を生かし、出産・育児・介護のほか、何らかの理由で看護職から離れていた看護師の復職を支援する講座を試行的に開催しました。次年度以降も、更に実施回数を増やすことを検討しており、地域で働く看護師の人材確保に貢献できるよう努めてまいります。