ラジオ番組 みんなの健康ラジオ
2023年8月17日放送(放送内容 資料はこちら)
コンタクトレンズを使用している人は全国で1,500~1,800万人といわれており、国民の8人に1人くらいの割合にまで普及しています。近年は、近視の増加や美容目的のために若年者がコンタクトレンズ(CL)を装用する機会が増えています。日本眼科医会が2018年に行ったCL使用状況調査では、中学生8.7%、高校生の27.5%がCLを使用しており、誤った使い方による眼障害には注意が必要です。
簡単に購入・使用できるCLですが、実際は医療機器で最もリスクレベルの高い「高度管理医療機器」に位置付けられています。これは副作用又は機能の障害が生じた場合、健康に重大な影響を与える恐れがあるため、適切な管理が必要なものに分類されているからです。目の健康を守るためにもCLに関するいろいろな知識を身につけて、正しい使い方をしてください。
初めてCLを使用する時は、必ず眼科を受診して眼の状態を確認してもらうことが大切です。CLには、ハードCLとソフトCLがありますが、特にソフトCL は様々な種類があります。CLはそれぞれ使用方法や管理方法が異なりますので、添付文書をよく読んで、眼科医に相談してください。
CL開始後は、眼科での定期的な検査が必要です。CL使用者は、10人に1人が眼障害を生じているといわれています。眼科医の診察を受けずにCL販売店やインターネットなどの通信販売で購入し適切な使い方の指導を受けていない場合が非常に多く、その結果、CLの十分な洗浄や消毒などの適切なレンズケアが行われていないこと、CLの長時間や使用期間を超えた装用などが、眼障害発症の原因となっています。
CL眼障害の中には、角膜の酸素不足や眼の乾燥によるトラブル、レンズの汚れによるアレルギー性結膜炎、巨大乳頭結膜炎などがあります。角膜炎、角膜潰瘍といった、治療せずに放置すると失明につながる重篤な感染症には特に注意が必要です。少しでも眼に異常を感じたら直ちにCLをはずして眼科を受診することが重要です。
2023年8月24日放送(放送内容 資料はこちら)
一般的に、コンタクトレンズ(CL)は若い世代から始めるケースが多いですので、使用に当たっては視力障害が残るような将来にわたる重篤な眼障害を防ぐための注意が必要です。CLの正しい使い方や適切なレンズケアの説明は、眼科でCL購入時に受けることができます。安易な通信販売によるCL購入には注意していただき、定期的に眼科で目の検査を受けることが重要です。
今回は、CLの正しい使い方についてお話します。
CLによる眼障害は角膜の酸素不足、レンズの汚れやキズが眼障害発症の原因となります。
ソフトCLはほとんどが酸素透過性の高い素材ですが、最近はネット販売は低価格の低酸素透過性の60年前の素材のレンズが1日使い捨てタイプで安全とうたい販売されていますので、注意が必要です。カラーCLのほとんどは酸素透過性の低い素材で、色素が入っていてより注意が必要です。
CLはハードCLが最も安全です。角膜にキズがつくと早期に痛くなりレンズをはずしますが、バンデージ効果(包帯効果)といってソフトCLはキズを多い隠すために、痛みなどの自覚症状が出にくいため注意が必要です。ソフトCLはレンズケアの必要がない1日使い捨てが最も安全で、2週間交換タイプは毎日のレンズケアが必要となります。
CLのレンズケアでは、ハードCLは洗浄、すすぎ、保存ですが、ソフトCLは1日使い捨てタイプを除いて洗浄、すすぎ、消毒、保存と毎回正しいケアが必要です。
CLを扱う前は手指を石鹸で良く洗ってください。レンズの洗浄は、専用のケア用品を用いて指先でのこすり洗いが大切です。これはレンズに付いたタンパク質や脂質を落とし、微生物を1000分の1程度に減らすことができます。こすり洗いは、レンズの表裏をハードCLは30回、ソフトCLは20回のこすり洗いが必要です。
洗浄後は、すすぎを行いケースに保存します。ケース内の保存液は毎回新しく交換して、その都度ケースを洗浄してよく乾燥させてください。ケースも劣化しますので、一定期間使用したら新しいものに交換が必要です。
最後にCLは大きな問題が起きています。CLは高度管理医療機器ですので、CL処方せんなどの医師の指示に基づき販売しなければなりませんが、ネットなどのCL販売業者は医師の指示がなくても使用者にCLを販売していることは違法です。必ず医療機関を受診してから、CLを購入してください。CL使用者は自覚症状がなくても定期検査を受けることで眼障害の早期発見、治療が可能となります。