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夜間頻尿

2026年2月19日放送2026年2月26日放送

2026年2月19日放送

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2026年2月26日放送

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2026年2月19日放送(放送内容 資料はこちら

夜間頻尿の定義は、夜間(寝床に入ってから起床まで)に排尿のために1回以上起きなければならないという症状ですが、実際に臨床上の問題となるのは、通常2回以上起きる場合が多いです。その割合は、男女共に年齢が上がるにつれ上昇します。

Quality of life(生活の質、QOL)への影響は、夜間の睡眠を阻害されることで、不眠や日中の活動性が低下することです。また、高齢者では何度もトイレへ行くことで、転倒の発生要因となり、更なるQOLの低下につながります。
一方で全ての方が支障と感じているわけではなく、特に高齢者では正常な加齢現象として受容していることも少なくありません。睡眠が阻害されるかどうかがQOLへの影響の強い要因です。本人は何とも感じていないが、寝室を共にする家族が起こされることに不満を感じ受診を勧めたり、病院ではナースコールが頻回に鳴らされたりすることで泌尿器科の受診につながることもあります。

夜間頻尿の原因は、1)多尿・夜間多尿、2)膀胱蓄尿障害、3)睡眠障害に大別されますが、どれか単独というのではなく、これらが複合的に絡んでいることが治療を難しくし、病態を複雑にしています。最近の報告では、夜間3回以上トイレへ行くような患者さんの8割は夜間多尿が原因と言われています。

夜間頻尿は、加齢や心不全、高血圧症、糖尿病、肥満、その他の生活習慣病との関連が深く、また、夜間頻尿を原因として更なる不眠、うつ、健康状態の悪化、そして転倒による骨折など様々な症状を引き起こすこともあります。

夜間頻尿の診療では、先ずは問診が非常に大事です。夜間の回数、1回尿量は多いのか少ないのか、就床時間や起床時間などを問診します。検査では尿検査で血尿や尿路感染の有無を、超音波検査では膀胱内の残尿量の確認、男性の場合は前立腺肥大の有無を確認します。血液検査では、腎機能や、男性では前立腺癌の腫瘍マーカーのPSAを調べます。そして夜間頻尿の原因究明において、最も大事な診断ツールは排尿日誌をつけることです。
排尿日誌や治療について次回詳しくお話しします。

2026年2月26日放送(放送内容 資料はこちら

夜間頻尿の原因究明には、排尿日誌が最も信頼できます。
これは丸一日の排尿の記録で、患者さんに夜間を含む全ての排尿の時刻、1回排尿量、切迫感、尿漏れの有無を記載してもらいます。そして水分摂取量や時刻、食事の時刻、加えて就寝、起床時間などもつけてもらいます。3日間程度の記載が望まれます。
作成することで1日尿量及び夜間の尿量、昼夜の1回尿量がわかり、各種排尿障害の評価だけでなく多尿、夜間多尿などの診断が可能となります。

作成することで患者さん自身が排尿状態、水分摂取量を客観的に捉え、生活習慣を振り返るきっかけとなり、適切な治療選択の一助となります。

夜間頻尿の原因で多くを占めるのは夜間多尿です。夜間多尿指数という、夜間尿量を24時間尿量で割ったものが、65歳以上の高齢者では33%を、若年者では20%を超えるものを夜間多尿としています。

夜間多尿は過剰な飲水や生活習慣に起因したもの、内科的な基礎疾患による例が多く、特に高齢者でその傾向が顕著です。そのため、行動療法や生活指導が基本となります。

水分摂取量について1日の飲水量は体重の2%程度です。尿の増加や睡眠障害に影響する可能性のあるカフェイン、アルコールや水分を多く含む食物を夕食以降は控えます。食事を就寝2〜3時間前までに済ませ、その後は口の中が乾かない限り飲水を避けます。
しかしながら長年染み付いた生活習慣の改善を強いることは、なかなか大変であり、飲んだ分トイレに行くのは当然ですから、これを患者さんが理解されていれば問題とはなりません。

塩分の摂取量は、高血圧診療ガイドラインで提示されている6g/日未満を推奨しています。

運動療法として、夕方〜就寝前までの適度な下肢を動かす運動(散歩、スクワットなど)をすることで、下肢の血流がよくなり、就寝前までの尿量を増加させることができます。また、運動をすることで睡眠障害の改善も期待できます。

以上の行動療法、生活週間の見直しを行なった上でなお、夜間多尿の改善が見られなければ、薬物治療の適応となります。

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