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小児救急とは?判断のポイント/代表的な救急疾患とその対応

2025年10月23日放送2025年10月30日放送

2025年10月23日放送

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2025年10月30日放送

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小児救急とは?判断のポイント(放送内容 資料はこちら

こんにちは。今日は「小児救急」についてお話しします。

小児救急とは、赤ちゃんや子どもが急に体調を崩したときに、すみやかに医療機関で診てもらうことを指します。子どもは大人に比べて体が小さく、病気の進行が早いため、体調の変化には特に注意が必要です。特に生後間もない赤ちゃんや乳幼児では、急激に症状が悪化することもあり、適切な判断と対応が求められます。

ただし、すべての体調不良がすぐに救急受診を必要とするわけではありません。たとえば風邪や胃腸炎など、自然に回復することが多い病気もたくさんあります。それでも、子どもが高熱を出したり、咳や嘔吐が続いたりすると、ご家族はとても不安になりますよね。そのような時に頼りになるのは、かかりつけの小児科のお医者さんです。お子さんの具合が悪い時は日中にかかりつけ医を受診し、なんの病気なのか、これからどうなると予測され、どう対応するのか説明を受けましょう。

それでも、夜間や休日にどんどん症状が強くなったり、予想外の症状が起きた時には「今すぐ病院へ行くべきか」「翌朝まで様子を見てもいいのか」と判断に迷うこともあるでしょう。

その際、「意識」「循環」「呼吸」の3点に注目して緊急性を判断することが大切です。

たとえば、熱が高くても機嫌や元気は良い、顔色が悪くない、水分や食事がまずまず取れている、咳は出るが息は苦しくない、などの様子であれば、緊急に受診する必要はないことが多いです。反対に、けいれんしている、意識がおかしい、顔色が悪くぐったりしている、呼吸が苦しそう、咳が全く止まらない、何度も吐いている、などといった症状があるときは、夜間でも救急を受診してください。

こうした判断をするためには、落ち着いてお子さんの様子をよく観察することがとても大切です。必要なときにはすぐに行動できるように、日頃から判断のポイントを知っておきましょう。

次回は、実際によくある救急受診のケース、たとえば高熱、喘息発作、けいれん、脱水症などについてご説明します。

代表的な救急疾患とその対応(放送内容 資料はこちら

こんにちは。第2回の放送では、小児救急の代表的な症状や病気についてご紹介します。

救急受診で一番多いのは「高熱」です。小児では風邪やインフルエンザで39度を超える高熱を出すことも珍しくないので、意識や顔色、呼吸の様子がおかしくなければ緊急性は高くありません。ただし、生後3か月未満の赤ちゃんの発熱、ぐったりしている、顔色が悪い、呼吸が早い、皮膚に発疹が出ているなどの場合は、早めの受診が必要です。

一方、意識障害では必ず救急受診が必要で、その代表が「けいれん」です。「けいれん」では意識を失い白目を剥く、手足がガクガクと強張って固まる様子などが見られます。急な発熱による熱性けいれんが一般的ですが、髄膜炎という怖い病気や、てんかん発作の場合もあります。長時間続くと後遺症が残る可能性もあるため、5分以上続いている時は救急車を呼んでください。

呼吸の障害も重症では命に関わります。その代表は「喘息発作」です。気管支が狭くなり、ゼーゼー・ヒューヒューと音がして、息をするのが苦しくなります。重症では呼吸ができず、脳への酸素が不足して非常に危険です。呼吸が速く肩で息をしている、話すのもつらそう、顔色が悪いなどの状態であれば、すぐに救急を受診してください。

循環とは血の巡りのことですが、循環障害の代表は「脱水症」です。頻回の嘔吐や下痢、熱中症などにより体内で水分が不足すると、脳や重要な臓器に必要な血流を保つことができなくなり危険です。脱水症では、非常に元気がない、顔色が悪い、手足が冷たいなどの症状が見られないか注意しましょう。

そのほかにも救急受診が必要な症状や病気は沢山ありますので、いつも自信を持って判断するのは困難です。迷ったときには「#8000こども医療電話相談」を活用し、看護師や小児科医のアドバイスを受けることができます。重症でなければ救急を受診してはいけないなどということはありません。大げさであっても救急を受診して、結果的に軽症で済めばそれが一番なのです。正しい判断と行動が、お子さんの命と健康を守ることにつながります。

急ぎ足になりましたが小児救急のお話しは以上です。ありがとうございました。

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